顎の力はコントロールが難しく、時にクラウンやインプラントが割れてしまう程の力がかかる事もあります。高坂デンタルオフィスではこうしたリスクを少しでも避けるため、エクスターナルタイプのインプラントを採用しています。
インプラントの構造の違いと特徴
最も一般的で安全性の高いインプラントシステムは、構造的に大きく2つに分けられます。一つがインターナルタイプ、もう一つがエクスターナルタイプです。高坂デンタルでは、「問題が起きたときにリカバリーしやすい」エクスターナルシステムを選択しています。
採用しているインプラントシステム
人の噛み合わせにおいて、思いがけないときに思いがけないほどの力が発揮されるときがあります。本人でも自覚できず、歯科医師も力の被害を予測できない場合も少なくありません。高価で特殊なインプラント治療です。どんな方にもインプラントに致命的なトラブルが生まれないことを最優先に考えた結果、高坂デンタルではほとんどのお方にエクスターナルタイプのインプラントをお勧めしてます。
インプラントには何かあってからではリカバーが極めてしにくいという負の特徴があります。処置後に致命的な問題が発生しない様に、術前から経過観察まで可能な限りの配慮をいたします。
インプラントの構造の違い
① インターナルタイプ
インターナルタイプインプラントのメリット
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土台を固定するネジが緩みにくく、長期間ネジ緩みのチェックをしなくてもよい
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インプラントと土台が一体化するため、部品の接合部にバクテリアが侵入しにくい
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治療や技工操作が容易で患者さんそれぞれの症状に合わせて適合させやすい
インターナルタイプインプラントのデメリット
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噛み合わせの力はインプラント本体に集中する。歯軋りなどの強い力が発揮されると、インプラント本体が割れてしまう場合がある。インプラント本体が割れてしまったら撤去するしかない。
② エクスターナルタイプ
エクスターナルタイプインプラントのメリット
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歯ぎしりなどの強い力はインプラント本体ではなくアバットメントスクリュー(図参照)というネジに集中するため、インターナルタイプに比べてインプラント本体が割れるリスクが少ない。
エクスターナルタイプインプラントのデメリット
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土台を固定するネジが緩みやすいため、定期的にネジ緩みのチェックが必要
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インプラントと土台が一体化しにくく、部品の接合部にバクテリアが侵入しやい
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治療や技工操作が複雑で、歯科医師や技工師の技術に結果が左右されやすい
あくまでもインターナルと比べると、という意味ですが、1・2番目のデメリットに関しては、定期的な検診やクリーニングによって対応が可能です。
3番目のデメリットに関しては、歯科医師と技工師の技術の問題です。私も技術力の非常に高い技工師とチームを組んで仕事をしています。治療費に見合った修復物を提供するために、技工師の技量を無駄にしないような仕事を常に心がけています。
インプラントが壊れた実際の症例
私の患者さんで、過去に残念な結果を迎えてしまった方が一人いらっしゃいました。
10年以上前のインプラント治療ですが、その後わずか7年で問題が発生してそのまま撤去に至りました。レントゲン写真でインプラント本体に縦に亀裂が入っていることがわかります。こうなってしまうともう撤去するしかありません。これはインターナルタイプのインプラントだったのですが、エクスターナルタイプだった場合は結果が違っていたかもしれないと悔やまれる症例でした。
定期検診では噛み合わせのチェックも重要です。インプラントを長持ちさせるために、治療を計画する時から可能な限りの配慮をいたします。
レントゲンではっきり確認できる縦の⻲裂
⻲裂の周囲には炎症が⽣じることにより⻣が失われてしまします。インプラントを⽀えるはずの⻣がなくなり、周囲には隙間ができています。
撤去したインプラントです。
根本の半分は健全に⻣と密着していたために、撤去する時はある程度の⼒技が必要になります。健全な⻣にダメージを与えることは避けられません。
インプラント治療 3