top of page

新規症例-セラミックスで治療した審美症例

40代 / 女性
2009年11月症例

(高坂デンタルオフィス開業前の症例です)

1.JPG
19.JPG

患者さんは40代女性、前歯の見た目を気にして来院されました。歳とともに先端が削れて、色もどんどん暗く変色している実感があるとのことです。

これらから皆様にご覧いただくのは、「審美歯科治療」の症例となります。

ステップ1 所見観察

1.JPG

左上2番の脱落による審美障害を主訴に来院された患者さんです。

1a.JPG

一見、むし歯で折れたのかと思いますが、上下前歯の噛み合わせの関係が大きく関与していた可能性があります。

2.JPG

奥歯で噛んだ時、下の前歯が上の前歯にほぼ隠れて見えなくなってしまいます。日常から前歯に負担がかかりやすい特徴を背負った噛み合わせです。夜間の歯軋りが関係してか、下前歯の切端も斜めにすり減っているようにも見えます。上下の前歯が常に不要な力にさらされていることは間違いありません。

3.JPG

修復治療をしても人工物がいつ外れてしまうか、不安が付きまといます。

 

ステップ2 治療方針

4.JPG

外れてはいませんが、他の3本のセラミックスクラウンも健全とはいえない状況です。すでに古く劣化も進んでいた状態でしたので、上顎前歯は4本まとめて修復することになりました。

5.JPG
6.JPG

ステップ3 レントゲン

7.JPG

外れた歯のレントゲン写真です。クラウンを被せるためには、根管治療をして土台を建てなければなりません。神経をとることになるので、大変に残念な犠牲を伴います。

ステップ4 自然な仕上がりをご提案

8.jpg

どなたでもそうですが、新しくセラミックスクラウンを被せる時は、より白く美しい仕上がりを望みます。ところがこの方の天然歯の色調はA-4系統に近く、かなり暗いタイプでした。修復物だけ白くしても、お口の中では浮き上がって逆に不自然な印象を与えてしまいます。

9.jpg

新しいセラミックスクラウンの白さがより自然に見えるように、天然の前歯にはホワイトニングを提案いたしました。

ステップ5 ホワイトニング

10.JPG

ホワイトニングにも限界はありますが、目につく部分はA-4系統からははるかに明るくなりました。

11.JPG

ステップ6 仮歯をセット

12.JPG

左上2番には土台を建てて、修復予定の4本に仮歯をセットしたところです。
人工物が歯肉にダメージを与えていないかを確認します。歯肉が赤く変色したり腫れが残っているような時期に、精密な型採りはできません。歯肉のコンディションを整えるための仮歯でもあるのです。

ステップ7 型採りの準備

13.JPG

型採り直前の様子です。歯肉も綺麗で、わずかな問題もなさそうです。

ステップ8 仕上げ削り

14.JPG

型取り直前に仕上げ削りをいたしますが、決して器具で歯肉を傷つけてはなりません。少しでも血が滲んでいるとそれだけで精度の高い型採りが不可能となるのです。生きた細胞である歯肉は非常にデリケートです。被せ物の治療をするときこそ、細心の注意が必要です。

15.JPG
16.JPG

ステップ9 型採り

17.JPG

出血した状態で処置を進めると、血液によって最も大事なマージン(境目)が隠れてしまいます。歯肉にダメージを与えていないからこそ、初めて精密な型採りが可能になります。
セラミックスクラウンをより美しく見せるためには、セラミックスクラウンを歯肉の中から立ち上げなければなりません。歯を削るときは歯肉を傷つけないようにするための注意も必要ですし、型採りにはより高度なのテクニックが求められます。

ステップ10 セットの準備

18.JPG

歯科医師が綺麗に型採りをすれば、技工士さんは精密な作業をしてくれます。セット時の模様ですが、歯肉に炎症はほとんど生じていません。炎症が残っているということは出血しやすいということです。その状態で修復物のセットに臨めば、セメントに血液が混じる可能性があるのです。セメントに余計なものが混ざれば、当然接着力に影響します。
被せ物の治療をするときでも、終始歯肉のコンディションには目を光らせてなくてはなりません。そのためには、やがては処分される仮歯の精度も高めなければならないのです。

ステップ11 セラミックスクラウンをセット

19.JPG

セット直後の写真です。犬歯をホワイトニングしたことで新しいセラミックスクラウンもより白い色調で作ることができました。口元全体が明るくなった様子が明らかです。

20.JPG
21.JPG
22.JPG
23.JPG
24.JPG
25.JPG
26.JPG
27.JPG

どこから見ても歯肉には赤みや腫れ、炎症初見は全くありません。歯肉が赤紫色に腫れたままですと、歯がいくら白くて綺麗でも、口元が表現する印象には違和感が強く残ります。
技工士さんがいつも努力してくれるおかげで、私もほぼ納得できる仕上がりです。患者さんも大変満足してくださったことが何よりでした。

ステップ12 メンテナンス

以下の写真はセット後10年の状況です。
歯肉に炎症自体は全く生じていませんが、経年的に退縮しています。
セラミックスの艶も無くなっており、経年的な劣化は否めません。

28.JPG
29.JPG

セラミックスはセットしたらそれっきりではありません。今が美しくても、それを長持ちさせるためのチェックとメンテナンスは必要不可欠なのです。仮に「審美歯科」というカテゴリーの治療だとしても、噛み合わせや咀嚼器官の基本を十分に理解して、審美領域の治療にも当てはめる必要はあるはずです。後の問題を予想、回避するためのアイディアを惜しんではならないと考えています。

治療概要

治療費

オフィスホワイトニング 16,500円×3回=49,500円
テンポラリークラウン(6本分) 5,500円×6=33,000円
印象採得 11,000円
セラミックスクラウン(6本分) 176,000円×6=1,056,000円

自費治療費合計 1,149,500円

治療担当

歯科医師 高坂昌太

関連症例

11.jpg

インプラントなどの
複合症例

60代 / 女性

ステップ1
ステップ2
ステップ3
ステップ4
ステップ5
ステップ6
ステップ7
治療概要
ステップ8
ステップ9
ステップ10
ステップ11
ステップ12
bottom of page