top of page
column-bg01.png

歯科治療コラム

顎関節症2
​歯ぎしりとの関係

顎関節症の病態は様々です。ここでは「歯ぎしり」と「関節円板と靭帯の異常」との関係に焦点を当ててご説明をいたします。

歯ぎしりと顎関節症

かみ合わせの問題は多岐にわたるので、簡単には特定できません。しかし顎を滑らかに動かす、動かせることが健全さの表れだとすると、顎を動かしにくいとはどういう状況なのでしょうか?

02-1.jpg

上はかみ合わせの様子を確かめたときの写真です。赤マークは縦にカチカチ噛んだ時の接触、青マークは歯ぎしりした時の奥歯の擦れの記録になります。

写真(図1-a)黄丸の青マーク、このほんのわずかに見える接触の痕跡が顎関節症の原因になるかもしれない危険なサインなのです。


青マークのような接触部位があると、歯ぎしりする時はその山を越えようとするために筋力はより強力になります。顎関節や周囲筋肉の疲労感は蓄積しやすく、それだけでも日常の顎の動きは不自然になるでしょう。しかし問題はそれで済まない時もあります。

外側翼突筋という筋肉

顎の機能に非常に重要な外側翼突筋という、上下二つに分かれている筋肉があります。ぎゅっと噛み締めたときは上半分が。口を大きく開ける時や顎を左右に動かす時は下半分の筋肉が活動します。その働きは関節と関節円板を一緒に前方に引く作用を示し、口の開け閉めで交互に働きます。

02-2.jpg
02-3.jpg

【外側翼突筋】
上下2つに分かれているこの筋肉は、下顎の関節とともに、関節円板を前内方へ引く作用がある

しかしこの上下の筋肉が同時に働く瞬間があります。それは、ギュッと噛みながら顎を左右に動かす歯ぎしりのときです。特に臼歯に引っ掛かるような接触があると(図4、黄丸)、関節と関節円板に桁違いの力が作用して前方に引っ張られます。

02-4.jpg
02-5.jpg

すると関節円板は図5のように、前内方へ引きずり落とされてしまうことがあるのです。これが顎関節症の一つの典型例です。

外側翼突筋の上下は同時に働き(動画1、動画2)、関節円板は動画2の赤矢印の方向へ引っ張られる。歯ぎしりのときに図4の黄丸ような臼歯の接触があると、その山を乗り越えるために外側翼突筋もより強い筋力を発揮する。
もしも関節円板が関節の間からずれ落ちてしまうと(図5)、完治しにくい顎関節症となる。

動画1 歯ぎしり運動(正面から)

動画2 歯ぎしり運動(下から)

かみ合わせ調整の症例

1.jpg

不安定なかみ合わせを
​咬合調整で改善した例

30代 / 女性

15.jpg

矯正治療後のかみ合わせを
​咬合調整で改善

40代 / 女性

index.jpg

咬合調整で
顎の疲労感を軽減させた例

40代 / 女性

bottom of page